日本人の欠点は音読文化。高速の手書きにより能力を上げる海外のロジカルトレーニング

日本人は音読の文化と呼ばれています。手書きしないということは、分析や思考する際の弊害となります。そこで日本の音読によるヤバさと対応方法をまとめました。

目次

音読文化による弊害

丸暗記が目的となり読解力や思考力が上がらないことです。

例えば、清少納言の枕草子のフレーズを覚えていても、内容を解説することはできるでしょうか?

春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる雲のほそくたなびきたる。

これが意味を理解せずに丸暗記する時の罠です。

スタディサプリによると次のように解説されています。

春は、夜明け(がいい=趣がある)。

だんだんと白くなってゆく山際の空が、少し明るくなって、紫がかった雲が、細くたなびいている(のがいい)。

スタディサプリ

ただ枕草子の一文を丸暗記していても、それを語れないと理解したことにはならないのです。

暗記する対象が間違っても、丸暗記をした時点でそれが真実と捉えてしまいます。自分で意味を考えず、正しいと判断をすることで、思考力や読解力が養われません。

「勉強=丸覚え」の無思考になる教育システムの弊害

学校教育で起きる弊害として教えたら一言一句間違えずに答えることを要求されます。その結果、思考できない大人が生まれます。

  • 情報コレクター
  • ノウハウコレクター

情報コレクターになるパターン

子供時代にしていたこと

  • 丸暗記をするための記憶法
  • 短時間で本を読める速読法

大人になっても情報収集は続きます。日本人は要約されたものが好きで、一冊を要約された要約本やYouTubeでの要約解説も人気です。分かりやすさを追い求めています。

大人になってすること

  • 資格を取る
  • 要約本を読む
  • 本の丸暗記

情報コレクターの弊害

知識を詰め込むためば、上手くいくと考えがちです。しかし知識を丸覚えしているので、結果的にビジネスでは役立ちません。情報が氾濫していても選別もできないため、ビジネスで実践するよりも情報集めが目的化しています。

ノウハウコレクターの特徴

子供時代にしていたこと

  • ゲームのノウハウを集める
  • 受験のノウハウを集める

幼いときからノウハウばかりを追いかけてしまっています。そして大人になっても同じです。ノウハウやテンプレートやフォーマットを常に探しています。

大人時代になってからすること

  • ノウハウを集める
  • テンプレートを集める
  • フォーマットを集める
  • マニュアルを集める

ノウハウコレクターの弊害

マニュアルがないと動けなかったり、テンプレートに全て当てはめて考えようとします。ビジネスのフレームワークも使いこなせず、新しいテンプレートを常に追い求めてしまっています。

知識を増やしても多くのノウハウを知っていたとしてもビジネスの現場では使えません。
ビジネスでは日々状況が代わり、環境や条件が違うために臨機応変に動くことを要求されているからです。

思考するにはインタープリション能力が求められる

知識を聞いた時にその裏に隠れた解釈を自分で導き出すことです。それがインタープリション能力です。

インタープリテーション 自然・文化・歴史(遺産)を分かり易く人々に伝えること。 自然についての知識そのものを伝えるだけではなく、その裏側にある「メッセージ」を伝える行為。

福井県環境情報総合処理システム

聞いたことをリアルタイムにメモを取れない日本人

日本人が手書きでメモを取ろうとするとついていくことができません。パソコンによるタイピングの方法もありますが、流れてくる文章をただ打ち込んでいるだけで、思考を全く伴いません。

聞いたことを書ききれないとセミナーなどに行くと、書ききれない理由からスライドの写真を取る人が多いです。

これができないのは、学校教育の弊害で、質門されたら答えを出す条件反射的な反応を出すようにしているからです。黒板をきれいに書くことを指導されるから、インタープリション能力が殺されています。

高速で手書きメモを取らせる海外での学び方

海外の人は、メモのとり方を徹底的に仕込まれます。私も海外の学生のメモする姿を見ていたときですが、普通の日本人の4〜5倍の速さでメモしていました。

なぜ教育では手書きで高速で書くことが求められるのか?

書くスピードと知能は相関性があると言われています。なぜなら手書きすることは、脳内を刺激するからです。聞いた内容を手書きすることで、意味を考えながら書き取るわけです。しかも書くと触覚を使うために記憶に残りやすくなります。そして書いた内容を振り返る際に、自分の考察を入れて、書き足すことにより知識から知恵、知恵から知性、知性から知能へと変化していきます。

人類の進化はペンを持つことに由来する

かつて狩猟民族時代にネアンデルタール人とクロマニョン人の2つの人類がいました。ネアンデルタール人は身体が大きくて頑丈で、骨折しても自然治癒するような無敵状態。一方で、クロマニョン人は身体がひ弱でした。最終的に身体が小さいクロマニョン人が生き残るのですが、彼らが持っていたのは加工能力でした。

ラスコーの壁画にあるように絵画の技術、そして兵器の先への装飾など無駄と思われるようなところにこだわっていたのです。これは絵を書いたり細工する際の道具の持ち方に秘密があります。道具を持つ親指と人差し指を使いながら、中指と薬指が親指の付け根に力を入れることで、脳が刺激されるのです。

手書きで書くことはマインド面にも影響がある

紙に書きいているとメンタルに悪影響が出にくいです。

  • 思考にすることで感情の制御ができる
  • 抽象度を上げてメタ認知ができる
  • 具体的に落とし込むことにより掘り下げができる

怒りを他人にぶつける人がいますが、それは感情の制御ができていないからです。紙に書くことでメンタルのコントロールをすることでノイローゼになりににくくなります。

紙に書かないと思考が定まらずに不要な行動をしてしまうことがあります。

iPadではダメなのか?

筆圧が弱いデジタル機器はおすすめできません。これはiPadのメモ以外にもパソコンでのタイピングもスマホのスワイプも効果はありません。手書きで力を入れるからこそ、効果が現れるのです。

落書きをしながらメモを取るノート術

手書きメモは自由度の高い表現できるツールです。手書きをする際にきれいに書く必要はありません。書いている場所がぐちゃぐちゃになったり、読めない文字でも後から読み直して考えることで、思考力が働きます。

思考を鍛える手順

STEP
<吐き出し>落書きのように紙にメモを書いていきます

きれいに書く必要がありません。自分が読めればいいので思いついたことを思いついたまま書いていきます。

STEP
<考察>メモに注釈や気付いたことを入れていきます

書いた内容を振り返られらないとただの時間の無駄になってしまいます。授業や講義、気付いた雑記なども振り返り、そこに新しい気付いた点や発見したことの注釈をいれていきます。

考察、洞察、分析等を行ないます。

STEP
<アウトプット>清書を行ないます

清書は他の紙に書いてもいいですし、ブログを書いたりしてもいいです。清書する際に想起記憶を使いながら、記憶の再構成が起こります。さらに図解化すると物事の解釈が深まります。

Step2の考察段階で、心の中にあるもの(自分の内なる声)を全て吐き出すように書いていく。外からの情報を書き出すだけでは、インタープリション能力は上がりません。

まずは落書きのメモから

海外の速記術は誰かに見せるきれいな文字ではなくて、自分だけが読み取れるようにする技術が求められます。

ドゥードゥルレボリューション(落書き革命)では、思考の発達に落書きのようにメモが良いとされています。他にも海外ではいろいろな落書きな技術があります。

  • フィンランドカルタ
  • マインドマップ
  • アヤトゥス・カルタ
  • バブルマップ
  • マンダラート

フィンランドでは読解力が求められる教育であり、フィンランドカルタなどの思考の整理法が重要視され、またレオナルド・ダ・ヴィンチのメモはマップ法で書かれていたと言われています。

人間の本質を鋭く観察して 真理を追い求めたレオナルド・ダ・ヴィンチ、その世界観について
レオナルド・ダ・ヴィンチのメモ

日本人はマインドマップの使い方を間違っている

演繹法的にキーワードを繋げて、最終的に抽象度を上げていく方法です。中央にキーワードを書いて連想されるキーワードから広げていく方法です。ドーバー海峡であれば、ドーバーと書く必要があります。

日本の具体的に文章を書くのは、ただの箇条書き文章の分解であり、マインドマップとは呼べません。

日本でもグラレコが流行ってきています

グラレコは日本人が好きなスタイルです。どんなスタイルでもいいので、まずは手書きを始めるべきですね。

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