シンプルに物事を考えたいと思いながらも、気づけば複雑化してしまいます。
ここれは、シンプルに考えるための簡単な四則演算を使った思考法を紹介します。
シンプル化するための思考原則は四則演算
コース料理にもかかわらず注文が出てくるのが遅いイタリアンレストラン
味は美味しいと評判のイタリアンレストランがあります。しかし問題点が山積みです。
お客さんを楽しませようと毎回シェフは料理が出てくるたびにパフォーマンスをします。
さらに美味しい料理を作ろうとオーダーが入ってから作るので、調理に時間がかかりお客さんを待たせてしまいます。
どのように改善すればいいのでしょうか?
この例を元にシンプル化について解説します。
割り算(➗)して、引いて(➖)、掛けて(✖)、足す(➕)の順で考える
この四則演算があれば、シンプル化は考えやすくなります。
大事なことは、減らしてから足す
いきなり必要を足すと複雑化します。
部屋でも同じで、物を減らしてから物を買わないと、不要の判断ができなくなります。
トヨタの改善でも、保有在庫を最低限にしてから、起きている問題点を把握してから着手します。
ミスが多発している時にいきなり改善点をピックアップして、それに対する解決方法を出すと、現場は混乱しまいます。
シンプル化から逆行してしまう複雑化あるある
- マニュアル作成
- チェックリストを作る
- ダブルチェックをする
まずは不要を割り出してから、必要なことを付け加えることです。
“割り算”と”引き算”で不要を取り除く
①割り算は不要を見つけるもの
まず最初に割り算をして因数分解していきます。
●=■ ✖ ▲ ✖ ★ ✖ ★
イタリアンレストランのコースメニューの割り算の例
イタリアンレストランのコースメニュー
=シーフードサラダ✖シーザーサラダ✖メイン料理(肉)✖海鮮パスタ
です。
②引き算は不要を乗り除くもの
①の割り算をしたものから引き算するものの次の視点で、引き算していきます。
- ダブリ(同じものが複数あること)
- ムリ(過剰なスペックなどで基本性能が出にくいもの)
- ムダ(なくても良いもの)
- ムラ(ムリとムラが悪影響して、ばらつきがでやすいもの)
引き算ではこれらの「ダブリ、ムリ、ムダ、ムラ」を見つけていきます。
イタリアンレストランのコースメニューの引き算の例
- サラダが2種類あり、シーフードが2つのメニューにある→サラダが複数、シーフードの複数のダブリが生まれている
- オーダーが入ってから調理を始める→原価が上がるムリが生まれている
- 全ての食事を提供する際にシェフのパフォーマンスがある→お客さんが飽きてくるムダが起きている
- 料理が出てくるのが遅いこと→ムラ
過剰なものは省けばシンプルになります。
サラダを1つのメニューにして、調理を事前に準備して、パフォーマンスはメイン料理だけに絞りました。よって、料理がタイムリーに出てくるようになりました。
“掛け算”と”足し算”で必要を付け加える
③掛け算は必要を追加するもの
掛け算は、割り算で省いたものに新たに追加するので、シンプル化から逆行します。
無理して掛け算をしなくてもよかったります。
イタリアンレストランのコースメニューの引き算の例
ここでは例として、サラダを減らした分を一品追加でデザートを入れましょう。
④足し算は必要を調整するもの
掛け算は本筋とは違うもので、何か足りないと感じるときのものです。
イタリアンレストランのコースメニューの引き算の例
料理に物足りないとなると、ウェルカムワインを1品追加するなどです。
これは前日に飲み残したお客さんのワインを使うなどすれば、コストを掛けずにサービスができます。