借り物のビジネスモデルは破綻する。自分のものに価値を作る

借り物のビジネスモデルとは、代理店やライセンス提供を受けた場合、またはセミナー集客代行などのビジネスモデルのことです。いかにこのビジネスが危険なのかを事例を含めて説明します。

目次

借り物のビジネスは破綻する

代理店や看板を借りるものは、限界が出てきます。

  • 三陽商会がアパレルのバーバリを手放した例
  • セミナー主催会社が海外講師を招致した例

今回は、アパレルの三陽商会とワールドの例を元に紹介します。

三陽商会がアパレルのバーバリを手放した例

三陽商会はバーバリとの契約が切れて、マッキントッシュというイギリスのブランドで再出発をしました。バーバリの商品は本家が制作したものは高くて、バーバリのブランドロゴの主張が強くて日本人には抵抗がありました。そこで、バーバリはブラックレーベルとブルーレベルとという日本仕様のバーバリを販売しました。このブラックレーベルとブルーレーベルは、日本人デザイナーが制作して本家に提案して承認して売っていたものです。

三陽商会は売上が減少傾向にある

三陽商会はバーバリというバックを失った結果、売上が下がり続けています。

三陽商会が、2022年2月期の通期連結業績予想の修正を発表した。売上高は前回発表から29億円引き下げ、386億円となる見通し。営業損益は1億円の黒字を目指していたが10億円の赤字に下方修正し、6期連続の営業赤字を見込む。

https://www.fashionsnap.com/article/2022-03-25/sanyo-2022/

ワールドは売上が回復傾向にある

一方で、ワールドは売上が伸び続けて利益が改善して黒字化しています。

売上高に相当する売上収益は前期比5.0%減の1713億円、純損益は2億3900万円の黒字(前期は171億円の赤字)。主力のブランド事業において商品仕入れ量の適正化を進めたことで減収となったが、正価販売の強化や不採算店舗・ブランドの撤退、人員整理といった構造改革が、利益面の改善に寄与した。

https://www.wwdjapan.com/articles/1359993

私がワールドのファミリーセールで仕事した時にブランドの買付バイヤーの方と話していたときのことです。ワールドのロサンゼルスのブランドにロイヤリティを払って、仕入れていたのですが、ロサンゼルスなためにアメリカ特有の奇抜なデザインで原色系の服と冬物がないとのことでした。そこで、日本人デザイナーが作った服をロサンゼルスのブランドに承認してもらい、ブランドタグをつけて販売していました。

ファミリーセールでも日本人デザイナーがデザインしたものが売れて、本家のロサンゼルスのブランドの服は売れ残ってていました。ロサンゼルスで制作したものは、奇抜なデザインや原色のものは売れないという事実でした。

両者を分けたのはデザイナーによる価値の構築

三陽商会もワールドも優秀なデザイナーがついています。三陽商会はブランドが看板にして売れていたのに対して、ワールドはデザインの世界観が好かれていたのがわかります。ワールドはいくつかのブランドから撤退していますが、ワールドの服が好きというファンはワールドの他のブランドの店舗で買っていたわけです。

ブランドとはコンセプトに紐づくものですので、この価値構築ができていたか否かで結果が変わったわけです。

自社の価値や商品がない場合は影響力が落ちる。

会社自体の伝えたいことなどのメッセージ性がない場合、その会社からの発信する内容に期待感を持てないので人は離れていくわけです。

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