世の中にあるマーケティング法則を追いかけすぎてどれも手つかずで混乱している時がありました。今、自分で法則化してコンテンツを生み出せるようになったのは、仮設的形成法(アブダクション)を知ったからです。
フレームワークは思考整理する道具であり価値はない
フレームワークの落とし穴
世の中にたくさんの思考法やフレームワークなどがあります。
しかし、これらは思考を補助するツールであって、これを書いたから正解というものはありません。
マッキンゼーやアクセンチュアなどの戦略系コンサルタントもフレームワークに意味は置いておらず、思考を整理するための道具としか見ていません。
端的にいうと、好きなフレームワークを使えばいいだけです。そのためにはフレームワークに飛びつかずに、自分なりの法則の導き方を持つ必要があります。
世の中に絶対成功するビジネス法則などない
ビジネス法則で確実に成功するものはありません。なぜなら時代や時流や自分の力や状況に応じて、ビジネスの戦略は変わるからです。最初は自分で考えて持論を持つことが必要です。
東芝時代に持論の重要性を感じた出来事
東芝では、シックスシグマというフレームワークをGEから導入していたのですが、そのフレームワークを使って考える人は皆無でした。上司が製品開発を試行錯誤で作っていたのですが、持論で試行錯誤を進めていました。
フレームワーク通りに進めなくても、持論があれば、製品開発することができるのです。
フレームワークは話を整理するためのフレームです。
コンテンツの制作でも重要なアブダクションという考え方
コンテンツを開発するならまず持論が大事です。
持論がなければ、誰かのコンテンツの模倣やパクリであって、自分で考えたとは言い切れないからです。
持論からスタートして自分で法則性を作ることができます。
持論をアブダクションを使ってオリジナルな法則を作る
持論を使ってオリジナルな法則を導くには、帰納法や演繹法といった方法ではない、第三のアブダクション(仮説形成や仮説的推論)という方法を使います。
アブダクションはアインシュタインの相対性理論にも使われており、世界初の江戸川乱歩が世界で初めてアブダクションで小説を書きました。
アブダクションの考え方
事実から仮説を立て、そこからデータを導き、その法則を導いていく方法を推論する方法です。
- 事象
- 仮説(法則)
- データ
朝起きたら芝が濡れていた。
過去に雨がふると芝が濡れていたな
夜の間に雨が降ったに違いない。
優秀な生徒に見られるアブダクションの使い方
ドラゴン桜2のドラマで発達障がいの生徒の健太が快晴にも関わらず2時間後に雨が降ると言い当てます。
実際に2時間後に大雨がふり、桜木先生はなぜそれを見破ったのか?と問いかけます。そうするとこのように答えました。
「5月 6日 10時25分 アリが巣に蓋を作った、そして2時間後に雨が降った」
「5月28日 13時13分 アリが巣に蓋を作った、そして2時間後に雨が降った」
という事実を確認した。
「アリは雨が巣に入って溺れないように雨が降る2時間前に蓋をする」
という法則が立てられる
「今、アリが巣に蓋をしたから、2時間後に雨が降る」
と推定した。
持論を体系化する方法
私がコンテンツ製作する場合も、この方法を使っています。
今までの経験を元に、新しいオリジナルな法則を創ることができるからです。
- 頭の中を書き出してデータ化する
- データの中から仮説を導く
- 事例を集めて仮説を検証する
①頭の中を書き出してデータ化する
まずは頭の中にあることをひたすら書き出していきます。
- 原体験や経験したこと
- 教育を通して学んだこと
- 失敗したこと、成功したこと
②データの中から仮説を導く
その中から法則性を見つけて仮説を導くことです。この法則こそがこれが体系化できるコツです。
その時に大事なことは「引き算してシンプル化」することです。
- 類似パターン
- 共通パターン
- 例外パターン
に分けることです。その分類にした後でオリジナルな法則性を導き出していきます。
私の場合、サンプリング(ティッシュ配りやお菓子を配布する仕事)のディレクターやスタッフをやったことがあるのですが、そのリアルの経験とインターネットの仕組みを類似性を見つけて法則を作りました。
この詳しいやり方はこちらを御覧ください。
③事例を集めて仮説を検証する
「②データの中から仮説を導く」を作り出した後に注意するのがドグマにならないかどうかです。
本を読んだり、ネットで情報を調べたり、自分自身で試したりして、それが本当に有効的な法則になるかを検証しましょう。
独自性を打ち出すためにオリジナルの法則を導く
誰かの模倣やパクってしまうとあなたの価値が落ちてしまいます。あなたのオリジナルコンテンツを創るなら、オリジナルな法則を自分で導くことが必要です。